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佐倉市美術館 2020年07月12日 美術 トラックバック:0コメント:10

深沢幸雄と池田満寿夫。

美術館、ミュージアムから遠ざかって、かれこれ半年になります。
もちろん新型コロナの影響によります。

東京では先月に入ってから再開する美術館が増えてきました。
予約制、人数制限、もちろん計熱・消毒などの感染対策は万全ということですが、
その東京の感染者数は一向に減りません。
どころか昨日は過去最高の240人超えです。

爺さんには死地に飛び込むようなもの。
暫くは東京さ行ぐごとは、無理だべさ。

ということでなんとか近場の美術展で紛らわそうと思っていました。
近場といっても知れてますよね。
県立美術館、市美術館、それぐらいですからね。
しかも再開は遅く暫くは常設展示といいますから、ずっこけます。

そこでちょっと距離を延ばして、佐倉市にやってきました。
ちょっと気になる企画展を見つけたからです。

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佐倉美術館は佐倉市の旧市街にあり、
エントランスホールは大正7年に建てられた旧川崎銀行佐倉支店の建物を利用しています。

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さて今回の企画で気になった作家が「深沢幸雄」です。
パンフレットによると深沢幸雄は千葉県の市原市を拠点に活躍した版画家とあります。
昭和38年、メキシコ政府の依頼で銅版画の技法を教えるため、
3か月間メキシコシティに滞在したのをきっかけにメキシコとの交流を深めるようになりました。

人間の内面や感情の奥底を表現したモノクロ作品が多く、
どちらかというと私好みの作家です。

FUKA B
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上は《めし》、下は《凍れる歩廊》。

ほんとうはこの会場に展示されていた《顔は迷路》、
という作品に最も注目したのですが、絵葉書になっていなくて、
みなさまに見ていただけないのが残念です。

池田満寿夫はどなたもご存じですよね。
余りにも世界的なアーチストですから。
ただ版画家の他に挿絵画家・彫刻家・陶芸家・作家・映画監督など、
多岐にわたる活動、多才のゆえに“池田芸術”は高い知名度のわりに、
現在でもなかなか正当に評価されていないようです。

深沢と池田の接点は、池田の作品が文部大臣賞を受賞した場の、
その隣に深沢が座っていたことから始まったといいます。
深沢は「全く無名の青年に光が当たった華やかな瞬間を目の当たりにした」と書いています。
二人の交流は池田が亡くなる平成9年まで続きました。

IKEDA B
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さてもう一人、深沢幸雄の教え子という清原啓子の版画も展示されていました。

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ひじょうに繊細で幻想的・耽美的な作品ばかりです。
1955年生まれで多摩美の版画科で学び、
20代から実に完成度の高い、独特の美意識に貫かれた造形世界を生み出してきました。
しかし、1987年7月に、31歳でこの世を去った夭折の作家でもありました。

早世した才能、全く知らなかった作家。
半年ぶりの美術展は小さな作品とはいえ、少なからぬ感激を頂きました。
100号超える油絵なんかは、遠くからその風景や情景を鑑賞してから細部を楽しんだりするのですが、
葉書二枚分ほどの版画作品は舐めるほど近寄って、その微細なエッジをしげしげ眺めるのが極上の時間と言えましょう。

この企画展、なんと無料公開でした。
ありがとうございます、佐倉市美術館さま。


佐倉は十万石の城下町です。
天守・櫓は維新後に取り壊されましたが、広大な掘割や石垣は今も残っています。

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武家屋敷通りは佐倉観光の目玉でしょう。

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商人町「新町」は、老舗が目立つしっとりした通りです。
このあたり蕎麦処が多いのですね。表通りだけでも三軒確認されます。
そのうちの一軒「房州屋」に入ってみましょう。

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いきなり「牛筋煮込み」の短冊が目に飛び込んできました。
罪なことするねー、ご亭主。
「牛筋と・・・冷酒」。

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ここの盛り蕎麦は歯ごたえがあります。
久し振りに昼酒も頂いて、近来にない良き日でありました。


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食事処「南亭」 2020年07月10日 料(洋) トラックバック:0コメント:16

牛すね肉のワイン煮込み。

ただでさえ安売りで有名なスーパー、そこに牛脛肉が30%引きとあれば、
黙って通り過ぎることはできませんね~!
なんと約400グラムが700円ですよ、奥さん。

久々にワイン煮込みを作りましょう、どっこいしょ。

まずニンニク(2片)、タマネギ(半分)、ニンジン(三分の一)をみじんにして、オリーブオイルで軽く炒めます。
圧力鍋で炒めるとよろしいですよ。
一口大に切った牛脛肉(400g)と、赤ワイン(300ml)を入れて、圧力をかけます。

しゅっ、しゅっ、しゅっ、圧がかかったらですね、7分加熱して火を止めてください。
暫くしたら鍋の蓋を取って、カットトマト(1缶)、マッシュルーム(4個ほどを薄切り)、
砂糖、コンソメ顆粒、胡椒、それにローリエの葉っぱを一枚加えて弱火で20分ほど煮ると、
絶妙の牛脛肉ワイン・トマト煮込みが出来上がるというわけです。

牛シチューA

さっそくパンに浸して味わいますか。
甘酸っぱいソースに牛肉、ニンニク、ハーブ、野菜の味が溶け込んで・・・
しかもとろとろのお肉でしょ、もー好きなようにして!となるわけですよ。

牛シチューB

野菜はアスパラ、ミニトマト、ポテトの醤油焼き。

牛シチューC

ワインが進みますなー。
ワインといってもああた、メルシャンの「おいしい酸化防止剤無添加ワイン」469円。
しかもふにゃふにゃPETボトルの。

・・・・・・・・・
本人が美味しいと言うとるん。


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十七文字の風景(9) 2020年07月08日 俳句 トラックバック:0コメント:14

蛸壺

篠島。

三河湾は愛知県の渥美半島と知多半島に挟まれている湾である。
その両半島の先端に、まるで蟹の爪に挟まれる形で大小五つの島が点在している。
一番外の篠島へは、知多半島の河和から船で30分。

名古屋に勤務していた時は、同僚たちと何度か訪れていた。
篠島は蛸漁で全国的に知られた島で、
波止場には蛸が何匹も這いまわっているという光景も珍しい。

蛸の代表的な漁法は蛸壺漁だ。
素焼きの壺を海底に沈めて二日ほど放っておく。
それを未明に引き揚げると、壺の中に生きたタコが入っていて、
やすやすとタコを捕まえることが出来るという漁法である。

その蛸壺は時々天日干しするらしい。
たまたま島を訪れた日、波止場の外れに無数の蛸壺が積み上げられていた。

蛸を誘い込むためだけに生まれた壺はすべて、
飢えたように大口を晒している。




たこ壺
(写真は借用しました。また、篠島の蛸壺ではありません)


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卵卵卵、卵♪ 2020年07月06日 外食 トラックバック:0コメント:28

オムレツ、オムライス(2)。

さて次の店は、畏れ多い高級店である。

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《ラ・メール・プラール》はフランス西海岸のモンサンミッシェルで、
120年余りの伝統を持つレストランという。
看板メニューは『ふわふわオムレツ』で、モンサンミッシェルを訪れる旅人にも、長い間愛されている逸品という。
日本には2011年、東京フォーラムに出店し、またたく間に人気を集めるレストランとなった。

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もちろん私はその看板メニューというオムレツを注文する。
その大きさには腰を抜かしそうになったが、ナイフで割ってみるとなるほどトロリふわふわ状態。
オムレツにはココット(鍋料理)7品の中から1品選べるようになっている。

私はムール貝と野菜のクリーム煮をチョイスしたのだが、
「このココットをオムレツに混ぜてお楽しみください」ということなので、そうする。もちろんパンもついている。
オムレツは味も舌触りも言うことなし、と書きたいところだが実は舞い上がってしまって、
何も覚えてないという、哀れな《ラ・メール・プラール》体験であった。

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神田古書街から少し離れた淡路町(正しくは連雀町)では、池波正太郎が愛した名店が今も健在である。
あんこう鍋の「いせ源」、蕎麦処「神田藪」、甘味処「竹むら」、蕎麦「松屋」、などなど・・・
戦火を免れた老舗が軒を連ねる一画は、映画の中にさまよい込んだ錯覚に囚われる。

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そんな一軒に「松栄亭」がある。
もちろん池波正太郎が通った一軒でもあり、氏のエッセーにも屡々出てくる洋食屋である。
私のお得意先に近かったことから、何度か暖簾をくぐった。
その頃は池波正太郎贔屓の店とは知らずにいたのだが。

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松栄亭のオムライスも、見た通りの正統派である。
ただ、久し振りのケチャップは濃厚すぎて、半分ほどで閉口した。
どうもこのところケチャップライスが苦手になってきたようだ。
年齢の所為だろうか。

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人形町も古い食堂や喫茶店が多く残っていて、
料理屋でいえばすき焼きの「今半」、茶巾寿司の「関山」、鶏料理の「玉ひで」など、
名だたる老舗が点在している。

「玉ひで」といえば親子丼が全国的に有名だが、その分待ち時間が多いというから、
堪え性の無くなった私には無理だろう。

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裏通りで見つけたのが明治創業の「小春軒」。
これは期待が膨らみます。

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やはり、ありました!オ・ム・レ・ツ

ケチャップもデミグラもかけてない美しいオムレツ。
たっぷりの玉ねぎ、野菜、ミンチが詰まって、ふわふわと。そして実に雅なオムレツだった。
さすがは100年の間親しまれてきた洋食屋の味である。

この他にも数店、オムレツ・オムライスをめがけて突入したことがあった。
しかし、年々にオムライスというよりケチャップライスが苦手になってきたのは、
和風の淡泊な食事に舌が慣れ切ったからだろう。


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卵卵卵♪ 2020年07月05日 外食 トラックバック:0コメント:8

オムレツ、オムライス。

半端ない卵好きである。
親子丼の具だけで酒を飲むとかは当たり前のことで、
勤めていた時など、金曜夜はゆったり座れるホームライナーに乗って、
味付け茹で卵(しかも三個入りネット)でビールを飲みながら帰宅することが多かった。

それほど卵に強い執着を持っている南亭である。
何故そうなったのかは、少年時代に遡らなければならない。
戦後まもなくの間、鶏卵は非常に高価だったという。
食糧難の折、鶏は卵を産む前に食べられていたからだそうだ。

卵を口にすることが出来たのは、風邪で寝込んだ時ぐらいだったと思う。
生卵を溶いて醤油を垂らしたのを食べさせてもらった記憶がある。
卵は「滋養」のための大切な食品と思われていたのである。
・・・・・・
話は長くなるので端折ってしまうが、南亭が卵に並みならぬ執着を持った原点は、
多分こういう時代性だったのかもしれない。

そして今も料理に卵を使うことが多く、外食でも気が付いたら親子丼、玉子丼を注文している。
洋食ではオムレツ、オムライスなのは言うまでもない。
今回は食堂のオムレツ、オムライスの中で、記憶に残る何品かを載せようと思う。

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先ずは下町の老舗洋食屋「グリル・トミヤマ」さん。
東武東上線、鐘ヶ淵の駅前にあった。

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美しい舟形の典型的なオムライス。
卵に包まれたケチャップライスは、優しい味だった。
このグリルは昨年12月、惜しまれつつ閉店したという。

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京成本線・大久保商店街で見つけたカフェレストラン。
カフェレストランというより、昭和のレストラン・バーという趣の「ノースファーム」。

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メニューと睨めっこの末に選んだのはオムライス。
ソースはケチャップ系ではなくドミグラスで、しかもカレースパイスを隠し味にしているようだ。
なんかぐちゃぐちゃのオムライスだが、予想に反して手練れの味だった。

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JR四街道。商店街の外れにある中華食堂「みどり食堂」。
ラーメンが美味しそうだったので入ったのだが、壁のお品書きにオムライスとあったのにはびっくり!
「食堂」の暖簾を出しているから、驚くことはないのだが気になります。

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ということで、心変わりのオムライス。なんとカタチは真ん丸だ!
スープがこれまた中華風ワカメスープ。
なんか楽しいね!

ただしケチャップライスが濃厚すぎて、全部平らげることが出来なかった。

(続く・・・)


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