またまた 2016年03月02日 落語 トラックバック:0コメント:14

3周年11
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志ん生降臨。

志ん生師匠が、どうしても小噺をやりてえと降りてまいりまして。

小噺というのは、短いちょっとした話のことですが、落語では本題に入る前の枕というのですかね、
わずか1分足らずの話ですが、これでぐん!とお客様の心を引きつけて、
これから始まる演目を大いに期待させようというものですから、
噺家にとっては、たかが枕と侮るわけにはいかないのでございます。

小噺といえばよく例に出されるのが「隣に垣根が出来たんだってね。へえーっ!」
てえのがございますけれども、これを下手な落語家がやると面白くもなんともない。
やはり名人と呼ばれる噺家の「へえーっ!」は、何度聴いても可笑しみがあるものですな。

同じ名人でもその「へえーっ」には、違った味があるのは当然のことでして、
三代目円生がやると生真面目な可笑しさがある一方、円生と人気を二分していた志ん生のは、
「隣に」と発した途端にどっと笑いが来るといったように、大いに異なったわけでございます。

秀才と天才の違いとでも申しましょうか、おまけに破天荒な生き方も愛されたのでしょう。
志ん生が高座に姿を見せるだけで、笑いが上がったといいますから、存在そのものが落語だったようですね。

その志ん生師匠が、どーんと小噺ばかり演りたいなんて、嬉しいじゃありませんか!
お馴染の「へーっ!」から始まります、抱腹絶倒の高座でございます。
お楽しみを・・・。

(なお、録音がよろしくないようで、お聞き苦しいところもございますでしょうが、ご容赦願います。)



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ご挨拶 2015年12月27日 落語 トラックバック:0コメント:74

みなさま良いお年を。

本日をもちまして、居酒屋「南亭」並びに寄席「南亭」は、
年内の営業を終らせていただきます。

みなみなさまには、この一年、
馬鹿馬鹿しい話にお付き合いいただきまして、
まことに感謝の言葉もございません。


お名残り惜しゅうございますが、
これにてしばしのお別れでございます。

珠

来年も懲りずにご贔屓のほど、
よろしくお願い申しあげます。

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●八月の珠姫

また、みなさまには、更なる良い年でありますよう。
心から願っております。


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「南亭」亭主。


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山のあなた 2015年07月17日 落語 トラックバック:0コメント:26







「体が苦しいことをして健康になれるはずがない」という理由で体を動かすこと(特にスポーツ)を嫌っていた。


天才、異才、鬼才、そして超人的努力家。


二代目桂枝雀。


没後、早や16年が過ぎた。





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ちいさな真打ち 2015年06月15日 落語 トラックバック:0コメント:40

馬場亭健丸。

六月のある日のことでございます。

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ところは茅ヶ崎、喫茶とギャラリーを営んでおります《らまこーひー》さんで、ささやかな落語会が行われまして。
演じるのは南亭の跡を継ぐと評判の、馬場亭健丸師匠でございます。

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昨年春からプロの噺家に付いて、いくつか演しものを覚えましたが、これがなかなか筋がよろしい。
すぐに大磯の公民館やら町内のお祭り、はては結婚式に招かれたりと、
みるみるうちに評判となりまして、この日は茅ヶ崎での独演会となったのでございます。

じじばばも生で聴くのは初めてということで、なにはさておき駆け付けたのですが。
いやはや、開演前から会場は押すな押すなの盛況でして、はやくもじじは涙目でございます。

この日の演目は『元犬』でございまして。
犬が願をかけて人間になるというお話しでな。

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えー、話とスカートは短いほうがいいと申しますが。
お暑い中ですからよけい短いほうがよろしいようで。

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昔は犬の名前というものは、見た目でつけておりましたようですな。
黒いからクロ、斑にはブチなんて実にぞんざいなものでございます。

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人間になりたい一心で願をかけておりました真白な犬のシロ。

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ある日、願いが叶ったとみえて、毛が抜けはじめましてな。
ええ?肉球まで消えちまった!嬉しいねえ、どうも。

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人間になったシロは口入れ屋から、奉公先を紹介してもらいますが、
なにせ人間になったばかりで、やることなすことどうもおかしい。

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なんだよなあ、すぐ寝そべっちまうし、人の尻を嗅いだり変だよー、こいつは。

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で、名前はなんていうんだい。シロ?!それだけかい。
上になんか付かないのかえ?
ただシロで・・・。ほう只四郎かい、立派な名前じゃないか。

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で、おとっつあんは何してなさる。
お父っつぁんは酒屋のブチで、お袋は毛並みのいいのについて逃げた。
ますますおかしいよ、こいつは。

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ま、いいでしょ。
これから女中のお元にいろいろ教えてもらいなさい。

おーい、お元は居ないかえ。元は居ぬか。元はイヌかー。
へえ、元はイヌでしたが今朝ほど人間になりました。


噺もさることながら、仕草がすっかり堂に入ってまして、なまじの噺家よりよっぽど聴きごたえがございます。

落語というのは話を丸覚えすりゃいいというものではございません。
いわく言い難い間とか咄嗟の即興とか、また表情、手指の表現などなど、
落語を落語たらしめる独特のものがあるのでして、こればかりはいくら教わっても、さまになるとは限らないので。

いわば天性というものですかな。その点、建丸師匠は実に勘がよろしい。
そして表情の豊かなこと、これは噺家としてまことに恵まれた才能と申せましょう。
この日の高座は身贔屓を抜きにして、見事なものでございましたよ。

後ろのお婆さんなんぞは、まあまあこんな小さな子が・・・
なんて目がしらを押さえておりますし、となりで聞いてた奥さんも笑いすぎたのか、涙を流してる。
いやはや、思わず「これ、うちの孫。うちの孫」なんて言いふらしたくなっちまった。

考えてみますと、子供の頃から娘に落語を聴かせていたという、ロクでもないオヤジでしたからな。
そういうDNAが色濃く伝わったのかと思うと、嬉しくもあり不憫でもありでございます。
しかし、噺家の道を選ぶかどうかは、本人が希むか希まないかにかかっているのでして。
ま、これからいろんな道が見えてくるわけですから、爺がああだこうだ言っても始まりませんが。

ちなみに「馬場亭(ばんばてい)」とは、娘夫婦が住まいする大磯。
その外れにある町名から頂いたものだそうです。

さて、もう一人の師匠を紹介しなければいけませんな。
それはこの方・・・

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南日和 2013年09月20日 落語 トラックバック:0コメント:12

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ちょうずまわし。
以前もお話ししたかと思いますが、江戸の落語はお座敷芸、上方の落語は大道芸といわれています。
大道芸、読んで字のごとくもともと関西の落語は、縁日や市の立つ日など人が集まってくるのを目当てに、
お天道さんの下で面白い話を聞かせて稼ぎとしていたそうです。

しかし大道の真ん中で噺だけで客を呼ぶのは、並たいていのことではありません。
お客の気を引くためには、太鼓、鉦、あるいは三味線など賑やかに鳴らしながら、
話芸も披露しなければならなかったのです。

その大道芸の伝統が寄席に上がることになっても、
噺の途中で賑々しく音曲が鳴るという上方独特の高座になっているのです。

また演目は江戸とは違うネタも多く、とくに「旅ネタ」が目立つのも特徴になっています。
今日お聴きいただく「ちょうずまわし」も一種の旅ネタといえるでしょう。

上方落語独特のこの笑いは上手さはもちろんですが、
噺家自身の可笑しみも大切だということが最近判ってきました。

つるこう

その「ちょうずまわし」といえば笑福亭鶴光。
桂文珍もときおり高座にのせているようですが、鶴光の滑稽さは絶品といってよく、
それはやはり鶴光のいかにも「おもろ」そうな風貌のおかげなのでしょう。

残念ながら鶴光の「ちょうずまわし」は見れませんが、
これからの上方落語を背負う噺家といわれている、桂雀々の高座をご覧に入れましょう。



なお、途中で話は切れますが(2)の画面をクリックして、後編をお楽しみください。



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