昭和日和(其の七) 2017年08月09日 漫歩 トラックバック:0コメント:22

船橋・仲通り商店会。

船橋市は人口63万。千葉市に次ぐ千葉県第二の都市である。
そんな船橋駅北口を出てすぐの曲がりくねった路地に、昔からの住宅が何軒か残っている。
大都市の駅前としては、まことに珍しい光景であろう。

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これがそのうちの一軒だが、総武線の車窓からも見えるので興味を持った人も居るに違いない。

南口は市の玄関口なのだが、いきなりパチンコ店があったり平屋の食堂などが並んでいたりと、
とても60万の都市とは思えない雑駁さである。

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JRと平行する京成電鉄の高架をくぐるとすぐの路地が「仲通り商店街」である。

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商店街というより飲食街といったほうがふさわしいだろう。

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魚の骨のようないくつかの隘路には、秘密めいた店が夜を待っている。

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唐突という感じで大きな畳屋が現れた。
この飲食街にそぐわない光景だが、以前は青物や生活品を売る店ばかりの、
いわゆる商店街だったに違いないその名残だろう。

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その商店街を抜けて表通りに出ると、重厚な旧家が点在している。
目立つのは和菓子の「廣瀬直船堂」、呉服の「本田呉服店」。いずれも明治の建物だ。
一昔前まではこの本町通りが船橋の中心だったようだ。

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少し行くと海老川である。橋げたには船の彫刻が飾られていた。

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昔はもっと川幅の広い河川だったようで、房総に上陸した源頼朝の軍勢がこの海老川に差し掛かった折、
漁民たちが船を並べて橋を作って頼朝勢を無事渡河させたという。
この伝承から船橋と呼ばれるようになったという説がある。

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再び駅に戻る。仲通りの周辺は居酒屋が多い。
半分は昼間から開けているようで、誘惑されること夥しい。

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ついに我慢しきれず立ち飲み屋へ。
チューハイと立ち飲み定番のモツ煮こみを注文する。
店内はそれなりに埋まっていたが、殆どの客が独り呑みらしく静かなものである。

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隣のおとうさんは、チューハイを二杯空けたあと日本酒を飲み始めた。コップ酒である。
これだけ呑んでもカウンターに肘をつくことなく、しかも上体は揺らぎもせず直立したままである。
さしずめ立ち飲みのつわものといったところだろうか。

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途中で見つけた、年月が降り積もったような食堂。
恍惚とするようなこの佇まいはどうだ!
あとで調べたら「はなしょう食堂」と読むらしい。近々、是非突撃したいものである。

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一癖ありそうなフナバシキャット。
あかるいうちから呑んでおったかニャ。

よけいなお世話だ!



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昭和日和(其の六) 2017年07月30日 漫歩 トラックバック:0コメント:16

幕張銀座商栄会。

幕張は千葉駅から10分。

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JR幕張駅を降りると、すぐに京成電鉄の踏み切りになる。

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生活感いっぱいな私鉄沿線の風景。

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踏み切りを渡ってすぐの路地に、商店が固まっている。
「幕張銀座商栄会」という数十メートルほどの商店街である。

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前回紹介した「大島商店街」と比べると、閑散と言う言葉がぴったり。
平日の昼間だというのに人影がまったく見えない。

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シャッターを降ろしたままの店舗ばかりで、まるで歯の抜けたような通りだ。

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この幕張銀座は、たしか数年前にも訪れている。
その時はまだ賑わいが残っていたようで、上の中華食堂「芳葉」でラーメンを食べた記憶がある。
というより当時の店主だったのか婆さんが、カウンターの向こうからかけた言葉が忘れられない。

「うちのラーメンは不味いよ!」なんて、笑いもしないで言ったものだから一瞬、凍ってしまったが、
立ち直った私は「その不味いのちょーだい」と応酬したのである。
にたりと笑った婆さんが作ったラーメンは、不味い筈がない。
あまりいい洒落ではないが、婆さん一流の笑わせ方だったのだろう。

そんな強烈の思い出がある「芳葉」も、《健康上の理由で暫らくお休みします》の貼り紙があり、

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「一番しぼり」の看板を立てた居酒屋も、同様だった。

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この日だけだったかも知れないが、シャッターを開けている店は、
入り口近くの八百屋さん、中ほどにある米屋さんと手芸店、そして理髪店など数店だった。
遅かれゴーストタウンとなるのは目に見えている。

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ここにもひとつの昭和が滅びようとしているのだ。
別の踏切に差し掛かると、ちょうど京成電車が走り過ぎるところだった。
トトントトトトン・・・踏切の音は郷愁の音。

ちなみに冒頭の踏み切りの道路をまっすぐ行くと、
幕張メッセを擁する幕張新都心に至る。
イオンモールやコストコなど大型店も多く、旧幕張が廃れてゆくのも当たり前であろう。

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踏み切りを渡ると、クラシックな喫茶店が見えた。

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これがなんと蕎麦屋!?興味深々、入ってみる。

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ランチのひとつに「だしまき卵と蕎麦」があって、天麩羅も一品選べるという。
蕎麦は歯ごたえのある二八蕎麦。
選んだ天麩羅は玉ねぎと桜海老の掻き揚げである。

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掻き揚げはかりかりに揚がっていて香ばしい。
だしまき卵の控えめな味付けも好もしく、そういえばそばつゆも出色だった。
カツオとサバそして醤油・味醂だけで丁寧に作った出汁に違いない。蕎麦湯で割って飲むと更によく判る。
まろやかでかつ、すっきりとした後味は並の蕎麦屋で味わえないものである。

そばびすとろ「野の茶」。
思わずいい店にめぐり合った。
廃れゆく幕張で頑張る「野の茶」、機会があったら是非訪れていただきたい。



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なに?! 2017年07月25日 漫歩 トラックバック:0コメント:20

カップラーメンスタジオ。

カップラーメン数十種が楽しめるというショップが現れた。

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トッピングも選べるそうだ。

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珍しさもあって行列が出来ていた。
オープンしたのは7月1日。
それから三週間、今は昼時に会社員がぽつぽつとカップラーメンを啜っているだけ。

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ここはゴースト寸前の一大商業施設だった。
平成5年、ポートアリーナを中心として開館した複合施設「ポートスクエア」は、
国際的なスポーツイヴェントを誘致して、近隣再開発のシンボルとなる筈だった。

スポーツ施設の他にオフィス棟、商業棟、ホテルなどが華々しく開業した。
しかし5年後にホテルが閉館すると、商業棟も徐々に店舗が撤退して、残るはフィットネスクラブだけになってしまった。
オフィス棟は空室が目立ち、夜は怖くて近づけないようなエリアになったのである。

国際的なスポーツイヴェントが思ったように誘致できなかったことと、
立地があまりにも不便だったことによる。
当時の市のトップと調査会社の見通しの甘さだった。

このまま廃墟の道を進むかと思っていたのだが、
なんといつの間にか中国の不動産大手「緑地集団」に買収されたという。
その中国企業によって、複合レジャー施設「ポートタウン」が開業したのは今月の1日。

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その1階に前述のカップラーメンスタジオがある。
他に「ラオックス」、これも2009年に中国の大手家電量販店・蘇寧雲商の傘下となった免税店である。

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2階はキッズ用品売り場。

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3階は広々とした遊び場。

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4階はエアガンでプレーできるという、サバイバルゲームフィールド。

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そして5階がビュッフェレストラン。

一見わくわくするような施設である。
が、オープンから約ひと月、週末以外は閑散とした有様で、その週末にしてからが混雑という言葉から程遠い。
そういえば3年前、撤退した有名ホテルの代わりに安価な宿泊施設として開業したのが、
倒産したホテルを買収してチェーン展開する「CANDIO」というグループである。

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このホテルには東南アジア、特に中国の旅行客が多く誘致されている。
「ポートタウン」の狙いはこれら中国からの宿泊客だろう。
大型免税店もそうだし1階にある、ことさらな日本色もそのことを頷かせるものがある。

しかし、「ポートタウン」の計画が持ち上がったと思われる2年前は、
中国旅行者による『爆買い』が日本経済を持ち上げた時代だった。
それが一年前から嘘のように下火となり、そのために百貨店などは大幅な売り上げ減となったことは耳新しい。

宿泊客の購買力は期待できないし、こんな不便なところにわざわざ訪れる人も少ないだろう。
この施設が閉鎖されたら、今度こそ廃墟となるのは間違いない。



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昭和日和(其の五) 2017年07月16日 漫歩 トラックバック:0コメント:24

大島商店街。

農夫としてもリタイア状態になると、時間を持て余すようになった。
そこで散歩も兼ねて昭和の匂いが色濃く残った街並みを、探訪してみようと思ったのである。


五回目は大島というあまり知られてない商店街を訪れた。
最寄駅は都営地下鉄新宿線の「大島」駅だが、初回に紹介した砂町銀座から近い。
砂町からバスで3駅目ぐらいか。

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正しくは「サンロード中の橋」である。

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思った以上に活気がある。
たまたまそういう日時に遭遇したのかもしれないが・・・。

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この商店街の特徴は青物屋が多いことだろう。
通りの半分は八百屋、果物屋かと思うほどだ。

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これだけ多いと値段競争になるだろうから、
当然他よりは安く手に入る筈で、賑わいを見せているのはその所為かも知れない。

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むろん下町らしい惣菜屋も健在である。

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モツ煮の量り売りとは珍しい。

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ここは、なんとパン屋さんである。
とてもベーカリーと呼べないような店だが、ここの「大島あんぱん」は近隣で知れ渡った名物だという。
連れ合いが一度食べて、あんこの量にびっくりしたそうだ。

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商店街が途切れる辺りに「古川酒店」という木造の店が見える。
大正期の建物らしい。酒以外の食品・雑貨も扱って重宝されたに違いない。
私が少年の頃は、こういう商店が町内の中心だった。

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再び駅へと戻りながら、いくつかの路地を覗いてみる。
すると、なにやら気になる店を見つけた。甘味処のような店先である。
近づいてみるとラーメン屋だった。

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閉店間際らしく「あと少しで閉めますが」という店主。
慌ててお品書きをめくる。
店内にはメダカが泳ぐ大鉢があったりと、一風変わったラーメン屋「兼吉」。

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店主は話好きで脱サラであることや、この商店街の衰退のことなど、多少の憤慨も含めてしゃべり続ける。
肝心のラーメンだが、豚骨醤油系の濃厚に見えて飽きのこない絶品スープ。
スープによく合う中太麺も見事なこの店は、遠くからのリピーターも多いという隠れ名店だった。

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小ぶりだが、心地のいい商店街だ。
お土産は惣菜屋にあった、わらじを横に広げたようなどでかいチキンカツ。

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「なに、これ!!」
このチキンカツを見た連れ合いの、第一声である。


それにしても、こう猛暑が続くと、昭和探訪も命がけだ。



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昭和日和(其の四) 2017年07月02日 漫歩 トラックバック:0コメント:16

小岩。

農夫としてもリタイア状態になると、時間を持て余すようになった。
そこで散歩も兼ねて昭和の匂いが色濃く残った街並みを、探訪してみようと思ったのである。


今回は総武線の小岩を訪れた。ここも通過するだけの駅であった。
小岩駅南口には放射線状に三つの大きな商店街がある。

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向って右がフラワーロードという道幅の広い商店街である。
この通りには銀行や証券会社、あるいは携帯ショップが目立つ。
いってみれば小岩のメイン通りと言えるだろう。

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真ん中が昭和通りで、こちらはがらりと風景が変わって、

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燻んだ店が目立つ文字通りの昭和通りである。

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左側はサンロードという。
前に揚げた二つの通りの中間といったところだろうか。
いい雰囲気の商店街だが、人通りがいかにも少ない。

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そして、そのまた左に路地の盛り場がある。地蔵通りというそうだ。
南亭好みのこのカスバ感!

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夜はどんな灯りが迎えてくれるのだろうか・・・

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この通りによく似合うラーメン屋を見つけた。
アウトローな感じのラーメン店。
誘われるように入ってしまうから、私も相当に汚れ好きな男だと思う。

中は思ったより広くて、座敷席まである。
その座敷では何組かが酒を交わして、笑い合っている。
ああ、ご町内のラーメン屋なんだな。

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ラーメンは鶏がらと豚骨ベースかと思われるが、
非常にふくよかなスープで、想像以上の味ではないか。

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ラーメン屋の斜め向いに立ち飲み屋が見える。
まずいことに、営業している。

そういえば喉が渇いたな・・・・
いかん、いかん。

しかし喫茶店も無さそうだし・・・
いかん、入ってはいかんぞ。

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すみません、チュウハイ!
チュウハイはアイスコーヒーより安いのだ。

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マグロの竜田揚げは、ケーキより安いのだ!


ちなみに北口には、

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しっとりした昭和が残っていた。


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