トヨタ、ソニー。 2017年10月17日 美術 トラックバック:0コメント:16

十河雅典展。

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今年も銀座「STEPS GALLERY」で、親友の個展が開かれました。

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画廊の壁面を埋め尽くす大作。

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膠原病と戦いながら、これほどの作品を描き上げたということに驚嘆します。

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昨年あたりから搬入と搬出時だけ、やっとの思いで画廊にたどり着くという十河氏。

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それでも、搬出後の食事には快く付き合ってもらいました。
おなじみの銀座「鳥ぎん」です。

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またまた、どういうわけか珠姫!
今年も娘家族が参加して、賑やかな会食となりました。


画家・十河雅典、及びこれまでの個展については、以下をご覧ください。

2013年
国家・言葉・国亡軍
記念日(二)
2014年
不特定秘密絵画展
2015年
會て美しい憲法があった
2016年
一億総災厄社会
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テーマ:雑記 - ジャンル:小説・文学

都美術館 2017年09月01日 美術 トラックバック:0コメント:24

ボストン美術館展。

上野は2年ぶりである。
東京都美術館となると30年ぶりかもしれない。
従って、都美術館は国立博物館に近いということも忘れていた。

京成上野駅からは思った以上の距離であった。
暦の上ではとうに秋が立っているというのに、この日も32℃の夏日でおまけに無風状態。
そんな中を延々と歩かされるとは、思ってもみなかったのである。

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気息奄々として辿り着いたそこでは「ボストン美術館の至宝展」が開催されている。
世界有数の規模と質を誇るボストン美術館のコレクションは、国や政府機関の経済的援助を受けず、
ボストン市民、個人コレクターや企業とともに運営されているという。

この「至宝展」では、美術館を支えてきた数々のコレクターに光を当てながら、
古代エジプト美術から、歌麿や蕭白らによる日本・中国美術の名品、
ボストン市民の愛したモネやファン・ゴッホを含むフランス絵画のほか、
現代美術まで選りすぐりの80点が紹介されている。

今回の目玉と言えるのが、ファン・ゴッホの「ルーラン夫妻」
南フランス・アルルでファン・ゴッホが出会ったルーラン一家。
見知らぬ土地で生活を始めたゴッホを支えた夫婦の肖像画が、2点揃って日本で展示されるのは初めてとなる。

ゴッホ
ルーラン婦人の肖像画は、素早く分厚く絵の具を重ねたゴッホらしい作品である。
芽がでたばかりの球根の入った植木鉢を背景に描いているのは、
夫人の人としての温かさや素朴さを象徴するためだとゴッホは伝えている。

とにかく目移りすること甚だしいコレクションで、
何を紹介していいのやら分からなくなっているが、ゴッホの他にこれはと思った作品を一点取り上げよう。
それはクロード・モネの「ルーアン大聖堂」である。

モネは1892年から1894年にかけて大聖堂の西側正面にイーゼルを構え、
わずかに異なる3つの場所から連作を描いた。作品の数は30バージョンにも上る。
モネは、既に、移り変わる光の影響を捉えようとした「積みわら」や「ポプラ並木」の連作を手がけていたが、
「ルーアン大聖堂」連作では、同一のモティーフがほとんど同じ角度から描かれているため、
光の推移による変化がよりはっきり捉えられている。

モネ

今回展示されたのは、1894年に発表された作品である。
大聖堂の細かなディティールは光の中に埋没し、既に後の「光を主役」とした画法が完成したように見える。

しかし、年々大規模な展覧会を見て廻るのが辛くなってきた。
ともすれば、会場の椅子に腰掛けたくなってしまう。
情けない話だ。

上野の森からアメ横へ下りる。
どこかで一休みしつつ、喉を潤すためである。
ところが目指す屋台はすでに満席状態で、しかも外国人の姿が多い。

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それはそれで楽しそうなのだが、疲れた身には煩く思える。
不忍池に近い仲通りで、静かな居酒屋を探そう。
上野通りに抜けようとしたら、路地の一画に摩利支天を祀る寺院を見つけた。

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何年もアメ横界隈をほっつき歩いているのに、全く知らなかったとは!
なんでも江戸前期に開基した日蓮宗の寺院らしい。
これから呑みに行ってきます。摩利支天さま、お加護を・・・

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仲通りはさすがにまだ人通りが少ない。中ほどで気になる店を見つけた。

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寅さんの映画看板を掲げた、怪しげな酒場である。

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地下に下りるとそこは、まさに昭和40年代とおぼしき世界だった。

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度肝をぬかれつつも、ハイボールを注文する。
ついでお品書きと睨めっこしながら、カマンベールチーズの唐揚げとニラ玉を選ぶ。
チーズの唐揚げは初めて口にしたが、カリカリの衣とトローリとろけるチーズは絶品だ。

なおもお品書きを眺めていると、あれも食べたいこれも・・・となる。
しかも焼き鳥が一本50円というのは、どういうことだ!
鶏皮串を追加してしまった。アハハ・・・

BGMが菅原つづ子、灰田勝彦、高峰秀子、岡晴夫、小畑実、市丸・・・
こうなると昭和過剰の食傷気味になる。
ここは独り呑みより、たくさんの仲間と来たほうがよさそうだ。

しかし、面白い店があるものだ。
《薄利多売、伝兵エ》という居酒屋、忘年会にいかがだろうか。

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最後にウエノ・キャット。
将軍家にゆかりのあるような、お猫さまだった。




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ダリ 2017年07月23日 美術 トラックバック:0コメント:14

愛の宝飾。

シュールレアリズムの巨匠、サルバドール・ダリの宝飾作品はあまり知られてないように思う。
もともと宝石の構造や形に強い興味を抱いていたダリは、
シュールレアリズム作家としての地位が磐石となった40代から、宝石を使った作品を発表し始めた。

初めは愛妻ガラに捧げるためだったが、次第に宝飾というより芸術的作品を志向するようになった。
いずれもダリならではの超現実な発想だが、彼の平面作品をある程度見知った人なら、
ダリが究極的に求めていた世界は、ここにあったのかも知れないと感じるに違いない。

もちろん宝飾はダリが製作したものではない。
ダリの下絵に従って、著名な職人が作り上げたものである。

その宝飾作品が日本で始めて展示されたのは、秋葉原にあったミナミ電気7階の「ミナミ美術館」だった。
1986年のことだから、今から約30年前ということになる。
当時彫金家を目指していた連れ合いが、是非見ておきたいというので一緒に訪れたのである。
もちろん私も非常に興味を持ってのことだったが。

薄暗い会場のそこここで、スポットライトを浴びた40点近い作品は、
ダリの絵画を見慣れた私にも、妖しい興奮に巻きこまれるような異世界だった。
当時のカタログから、これはと思う作品のいくつかを紹介したい。
私も20何年ぶりかで見るカタログである。

だり

先ずは、ダリといえば誰でも知っているだろう作品。

ダリA

代表作そのままの『記憶の固執』。
時間が柔軟で時間と空間が分かちがたいことを物質化した----Dali

ダリB

『時間の眼』
人間は自身の時間から逃れることも、時間を変えることもできない。
眼は現在と未来の両方を見すえる----Dali

ダリC

『宇宙象』
天空に向って空中高く上昇しつつ、脚は宇宙の無重力状態によって細く引き伸ばされてゆく。
宇宙象は、宇宙の青い天空の世界に迫る。テクノロジーの進歩を象徴するオベリスクを背に負っている----Dali

ダリD

『イルカと人魚』
イルカは人間の次に知的とされる哺乳類。
人魚とともにキリスト紀元1965年の今年、酵素の科学的、生物学的勝利をもたらした珊瑚血の触媒である----Dali

ダリE

『生きている花』
華麗な花は開いては閉じ、ダイヤモンドに被われた雄しべや花弁をあらわにする。
手のひらの形をした花はつねに天を仰ぎ「光」を求めて伸びている----Dali

ダリF

『王家の心臓』
脈動するルビーは人民の為にその心臓が正確に鼓動をつづける女王を再現する。
純金の心臓は統治者を囲み守る人民の象徴である----Dali
(このルビーの心臓は、実際にどくんどくんと鼓動するように出来ていた)


以上6点を抜粋したが、作品には上記のようにダリの言葉が添えられている。
なんとなく分かるようなところもあるが、殆どは理解しがたい。

そういえば・・・・・
ダリは自作に対し、「ダリの作品は誰にもわからない。ダリにもわからない」とダジャレで述べていたそうだ。
本当だろうか・・・?

※ちなみに「愛の宝飾展」を開催したミナミ美術館は、1989年閉鎖され、
ミナミ電気も2002年店舗を閉じることになる。



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国宝、重文、又国宝 2017年06月13日 美術 トラックバック:0コメント:12

西大寺展。

西大寺は、奈良時代に創建された「南都七大寺」の一つに数えられ、2015年に創建1250年を迎えた。
奈良時代、聖武天皇・光明皇后の後を継いだ称徳天皇が「鎮護国家」の思いを込めて開創し、
東大寺などと並び称される寺格を誇った。
鎌倉時代には稀代の高僧・叡尊(えいそん)が、密教の戒律を重視した教え(後の”真言律“)を広め、
その弟子の忍性(にんしょう)また江戸時代に大和生駒山・宝山寺を開いた湛海(たんかい)らの活躍などによって発展し、
数多くの仏教美術の名品をいまに伝えている。


と、展覧会の案内パンフレットに書かれていた。

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その「西大寺展」は日本橋三越の並び、三井タワーの三井記念美術館で開催されている。

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西大寺は真言密教の寺院だが、密教美術には独特のものがある。
まずは、「金剛杵」(こんごうしょ)「金剛鈴」(こんごうれい)といった修法具。そして多種多様の仏像、神像。

特にこの西大寺の造営に関わった僧・道鏡は、異様なほど多くの仏像を造らせた。
道鏡は女帝・孝謙天皇を誑し(たらし)こんだ怪僧として有名だが、
女帝の心の病を治癒せんがため、あらゆる諸仏・神に献身的な祈りを捧げたと言われている。

ただ今回、展示されるのは西大寺所蔵のものだけではなく、
元興寺、浄瑠璃寺、法華寺、岩船寺他一門寺院の名宝も一堂に会するという。
それらの修法具、仏・神像のうち国宝が11点、重要文化財は50点に及ぶそうで、
なんとも豪華な仏教美術展ではないか。

そのごく一部を紹介する。

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左は国宝の金剛宝塔。高さ約90cmの金銅製の塔で、木造建築の外観を忠実に模している。
内部には叡尊が所持していた舎利を納めていた。
右は文殊菩薩騎獅像。獅子に乗った文殊菩薩に4人の侍者が従う,いわゆる渡海文殊の作例。
細部まで彫技が冴えわたり、彩色もみごとである。

仏教美術といえば、やはり菩薩と童子が人気で、
今回も興正菩薩や普賢菩薩あるいは善財童子像には、幾重もの人垣が出来ていた。

これらの宝物はショーケースの中で陳列されているとはいえ、会場には一種独特の匂いが漂っていて、
いってみれば1200年の歴史が醸し出す匂いなのだろうか。
それは決して気の所為でなく、過去に訪れた古刹で嗅いだのと同じ種類のものだった。

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三越周辺も再開発が急ピッチに進められていて、この三井タワーを初めCOREDO室町1号から3号館。
あるいはYUITOといった多目的タワーが立ち並んでいる。
日本橋も室町も往時の面影はすっかり失われてしまった。

疲れるような高層ビルの谷間に居てもしょうがない。
場所を替えるとするか・・・

(続く)

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北斎通り 2017年05月03日 美術 トラックバック:0コメント:29

北斎美術館。

錦糸町東口から両国に向う道路を、北斎通りと呼んでいる。

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北斎通りを歩くこと20分ほどのところに北斎美術館が開館したのは、昨年の11月22日というから、
出来立ての美術館といっていいだろう。

その名の通り、江戸時代後期の浮世絵師・葛飾北斎を単独テーマとした、世界初の常設美術館である。
ちなみに北斎はこの近くの亀沢で生まれ、本所界隈(現在の墨田区の一角)で生涯を送っている。
北斎通りもこれから訪れる北斎美術館も、そういう背景の下に名づけられまた創設された。

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さて、北斎美術館である。来てみると予想外の先鋭的な建築で、一瞬たじろいでしまったが、
北斎その人も次々と新しい世界を切り開いていった先鋭的な作家だった。
あえて近未来的なデザインを提案した建築家の意図は、正しかったというべきかも知れない。

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同館では数々のコレクションとともに、
タッチパネル式装置などで、その画業をより深く楽しく学ぶことができる。

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更には北斎のアトリエを再現した、その蝋人形が評判になっている。
これは北斎84歳の頃、妹のお栄とともに住んでいた様子である。
門人の露木為一が描いた絵を参考に復元されたという。

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「ねえねえ、北斎さんの手、動いてない?」「見えないよ」「ちょっと待って・・・ほらほらっ」
「やだ、動いてる!」「ね、ね」「女のひとの手も動いてる、すごーい!」「ほんと、ほんと!」
たいへんな騒ぎになっている。

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帰路は両国から乗ることにする。
数分で江戸東京博物館、国技館を通り過ぎ両国駅に着いたのだが、
驚いたのは駅がすっかり様変わりしていたことだ。

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昭和4年からの駅舎、外観はそのままだが『江戸NOREN』という、非常に洒落た施設に生まれ変わっていた。

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江戸の町屋を思わせる空間に寿司、天麩羅、蕎麦、割烹などの和食店が並び、わくわくすることこと夥しい。

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二階から眺めるとなるほど、真ん中に大きな土俵を設えていやが上にも気分は両国、良き時代の両国。

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その二階にあるのが築地食堂「源ちゃん」。
現役時代はよく築地場内の食堂で昼飯を食べた私には、食いつきの良い店である。

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もちろん「源ちゃん」という店は築地場内には無かったが・・・

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食堂らしい多品種なお品書きの中から、写真的にも目についた「真鯛の胡麻だれ丼」を選んだ。
店員さんから、先ずは鯛にご飯をくるんで食べてくださいと言われた通りにする。
舌が貧しい私には、有難いことに何を食べても美味しく感じる。

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半分ほど鯛飯を味わったら、薬味を乗せてダシ茶をかけてお召し上がりくださいね。言うとおりにする。
有難いことに、貧しい舌には真鯛のダシ茶漬けが、極楽美味に思える。

それにしても東京の変貌は、日本橋、銀座といった中心部のみならず、
こうして下町にも及んでいること、さながら今浦島のように呆然とするばかりである。



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