ロベルタ 2018年04月15日 雑話 トラックバック:0コメント:14

ホームステイのシニョリーナ。

25年前の丁度今頃、イタリアから一人のお嬢さんがやってきた。
我が家でホームステイするためである。

家族総出で成田へ出迎えに行ったのはもちろんだった。
我が家へ向う車の中で、散ってしまった桜をみて「ざんねんデス」と言い、
街中では「電線がとても多いデス」と驚いていたが、日本語はそこそこ話せるように見受けた。

ファーストネームは『ロベルタ』。
ファミリーネームは忘れてしまったが。

アッシジ

出身はイタリア中部のペルージャ、世界遺産のアッシジ修道院群が知られている。
父親は小さな商社を営んでおり、ロベルタも商社で活躍したいと何故か日本語を専攻したらしい。
更に日本語を深めるため、東京の日本語専門学校へ留学することになったそうだ。

何故我が家にステイすることになったかというと、
娘が大学でイタリア美術を学ぶ傍ら、イタリア語の授業も選んでいたからで、
イタリア文化センターでイタリアからの留学生のホームステイ先を探していることを知り、
わたしたちに相談をもちかけたのだった。

外国の子女と一緒に暮らすなどと、滅多にない機会だから一も二もなく承諾したのである。
成田で迎えた瞬間から舞い上がってしまい、家に着くやいなや寿司OK?、日本茶・和菓子OK?。
などと見苦しいほどお節介を焼いたのであった。

長旅のしかも異国に着いたばかりで、さぞ疲れていた筈だ。
過度のもてなしを強いるなんて、迷惑至極であったろう。
ともあれ来日一週間は、どちらも緊張の連続だったようだ。

イタリア人といえば「ペペロンチーノ!ペスカトーレ!」などと騒々しいという先入感を持っていたのだが、
ロベルタはどちらかというと、物静かな女性だった。
後で知ったことだがイタリア南部は典型的なラテン系の気質を持ち、中部から北は割りと思索的らしい。

ただ、何でも感動する性格らしく、彼女の中の日本的イメージに沿っている事物には、
即座に「オオ!」と感嘆詞を連発するのである。
日光へ一緒に旅したときなど、「オオ!」以外の言葉を聴いたことがないほどだった。

山形旅行の折に泊まった温泉旅館、その露天風呂の混浴には肝をつぶしたようで、
部屋に帰ってくるなり「オトコのヒトが入ってキマシタ!」と、まくしたてたが、
それも日本の文化だということを、うまく説明できなくて困惑したことがあった。

ホームステイの間に一人で鎌倉や京都も訪れていたから、
なかなかリッチでアクティブなシニョリーナではあったが。

朝と夜の食事は私たちと食卓を共にしていたが、
日本食、というより一般家庭で普通に食べている料理に抵抗がなかったようで、
むしろ美味しそうに食べていたから、ずいぶんと助かったものである。

娘とロベルタは仲が良いというより、ギブアンドテイクの間柄だったようだ。
それぞれの国の日常会話を磨くには、うってつけの相手だったのだろう。
やがて半年の留学期間を終えて、ロベルタはイタリアへ帰国した。

桜の散った後に訪日して、木々が色づく前に離日したのである。
日本の一番いい季節を見ずして、離れたことになる。
成田空港の出発ゲートをくぐる時に見せた、半べそをかいたような顔が未だ記憶に新しい。

シエナ

その後、娘とは葉書をやりとりしていたようだが、
今度は娘がイタリアに留学することになった。イタリア中部のシエナにある大学だった。
シエナとロベルタが住むペルージャはそう遠くない。

イタリアに着いて暫らくしたら、ロベルタの家でお世話になったと連絡があった。
2年の留学中も何度かロベルタと逢っていたらしい。
留学を終えたのちも、手紙葉書の交友は続いていたようだが、
ロベルタが望みどおりに商社へ就職し、娘も働き始めてから次第に疎遠となったようだ。

娘はともかく、私たち夫婦にとって異国の人と寝食を共にしたのは、初めてで最後であろう。
桜が散る頃になると毎年、「どうしているんだろうね」と言い合っている。


(写真はお借りしたものです)

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街の 2018年03月21日 雑話 トラックバック:0コメント:22

顔役。

散策の先々で色んな猫に出会う。
飼い猫であったり、町猫あるいは野良猫たちだが、
可愛らしい猫よりどちらかというと、アクのある猫に惹かれる。

ふてぶてしく、人を人とも思わないような猫を見かけると、
つい、カメラを向けてしまうのだ。

そんな猫たちをいくつか載せてみる。

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・・・・・・
・・・・・・

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用があるんだったら、裏にまわってもらおうか。

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見かけねえ野郎だな。おっと、それ以上近づくんじゃねえぞ。

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ここはわいの縄張りやでー。縄張りやでー。

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ぼーっと見てねえで、腰でも揉んだらどうだ。

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金は持ってきたのか?そこへ置いとけ。


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2018年03月06日 雑話 トラックバック:0コメント:10

春浅けれど。

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沈丁、香ってます。

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椿、揃いました。

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梅、散ってます。

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目白、来ました。

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ヒヨドリもちゃっかり。



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?? 2018年02月26日 雑話 トラックバック:0コメント:18

これは、一体なんでせう。

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どうみてもお弁当ですよね。
駅弁のようですが。

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開けてみますと、びっくり。
ケーキがぎっしり詰まってます。

ケーキを作った時の、崩れた部分や端っこを集めて、
上からクリームとフルーツを乗せたものです。
なので「はじっこ弁当」。

またたく間に人気スイーツとなって、
並べたとたん、一瞬で売り切れるそうです。

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京葉線・海浜稲毛駅近くのケーキ屋さん、『MIZYNOYA』で売ってます。
評判につられて、かみさんが買ってきてくれましたが、
スイーツを口にするなどは、酒徒の沽券にかかわることですから横目で眺めておりましたが・・・

一口どおお?
で、酒徒の沽券をかなぐり捨てて三口、四口食べてしまいました。



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孤独愛好者 2018年02月10日 雑話 トラックバック:0コメント:18

つぐみ。

近くの公園につぐみがやってくるのは、たいがい一月の終りごろです。
必ず一尾で、つがいの姿は見たことがありません。もちろん群れも。
雀をひと回り大きくした体で、どちらかというと地味な鳥です。

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ちょこちょこと三、四歩駆けて暫らく考える振りをします。
ときどき地面の虫や種をついばみ、またちょこちょこと駆ける。
そんな繰り返しの大人しいつぐみ。

そういえばつぐみの声を聴いたことがありません。
一尾のつぐみが動いている空間は、いつも静かで穏やかな光景に見えます。

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ときどきこっちをじっと見ますが、警戒しているのでしょう。
でもよほど近づかなければ、あわてて逃げることはしません。

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また、ちょこちょこ。
そして考える・・・

つぐみは昔、食用として捕獲されていたようです。
今は捕獲禁止になっているようですが無言なのは、
食用にされた頃の記憶がDNAに刻まれてきたのかも知れません。

《鳴かずば撃たれまい》ということでしょうか。

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つぐみが大好きなあるブロガーさんは、
「つぐみん」
と呼んでいるようです。



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