赤提灯(65) 2016年10月09日 酒肴 トラックバック:0コメント:22

親子煮。

ここしばらく、料理の記事を載せていない。
「居酒屋南亭、潰れたようだ」という噂が立つかもしれない。
ま、開業閉店状態の店なので、周りも驚かないし本人も意に介してないが。

あまり休んでいると包丁の使い方も忘れようてなもんで、
久々に簡単なつまみを作ってみた。相変わらず時短料理である。

親子

「鶏もも・タマネギの卵とじ」
なに、親子丼用に作った具をツマミとしてはねただけ。
意外と合うのだ、この親子煮。酒の肴にも。

親子A

「おろし胡瓜・なめ茸和え」
卸した胡瓜に、瓶詰の「なめ茸」を加える。
卸し胡瓜の青臭さが消えて、なかなかいけます。

親子B

「オクラ・おかか」
叩いて納豆のように粘りが出たオクラ。
ワサビと削り節とをよく混ぜて・・・。ご飯にもよく合う。

親子C

「野沢菜漬けの豚肉炒め」
漬け物の炒めは非常に美味い。漬け物の旨味だけで充分だから調理も簡単。
特に豚肉との相性がよい。仕上げにラー油を少々垂らすとこくが増す。
常備菜として大量に作るのだが、これをおむすびの具にすると最高なんだな!

親子D

ところで、居酒屋とは・・・
江戸の昔、酒の量り売りをしていた酒屋が、その場で酒を飲ませるようになり、次第に簡単な肴も提供するようになった。
酒屋で飲む行為を「居続けて飲む」ことから「居酒」(いざけ)と称し、
そのサービスを行う酒屋は売るだけの酒屋と差別化するために、「居酒致し候」の貼紙を店頭に出していた。
これが居酒屋の始まりという。

酒と料理を供する店は、「居酒屋」「小料理屋」「割烹」「料亭」と格付けが上がってゆく、らしい。
「小料理」「割烹」なる店は数回ほど上役からご馳走になったが、「料亭」さまに足を踏み入れたことはない。

だが料亭には「モツ煮込み」が無いという。
「ハムカツ」「肉豆腐」も出さないという。
よしんば接待されたとしても、固くお断りしたい、絶対・・・



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赤提灯(64) 2016年09月03日 酒肴 トラックバック:0コメント:16

畑のもので賄う。

獅子唐が猛烈な勢いで実をぶら下げています。
暫くは獅子唐中心の献立が続きそうです。

焼鳥屋では串焼きで供されることが多いですね。
居酒屋「南」ではちょっと目先を替えまして、ベーコンとの挟み焼きをお出ししましょう。

しし串

獅子唐はヘタを切って軽く塩を振ります。
厚切りベーコンは3センチほどに切り、獅子唐と交互に串刺しにします。
それを網で焼くだけの「獅子唐挟み討ち」。

しし串A

獅子唐のもう一品は、竹輪と一緒に煮た「竹輪の友」。

しし串B

こうなったら、畑のものでやり抜こう。
藷蔓と人参の炒め煮。

しし串C

モロヘイア叩き。醤油とたっぷりの削り節で。

しし串D

畑で養殖したシラスのニンニク炒め。
(畑で養殖??信じる者は救われる・・・アハハハ)

しし串E

獅子唐のことですが、10個の中に1個ほど辛いものが混ざっていることがあり、
「食べるロシアンルーレット」等と言われているそうです。
家族で順番に、一個ずつ食べてゆくなんてゲームはいかがでしょうかね。



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赤提灯(63) 2016年06月28日 酒肴 トラックバック:0コメント:20

アジな肴。
鯵は一年中手に入るが、実は初夏の魚である。
産卵のために浅い海にやってくるのが、今頃の季節というので夏の季語にもなっている。

私の近くの港でもサビキという簡単な仕掛けで、上手くいけば十数匹は釣れる。
鯵は刺し身や塩焼きも美味しいが、この辺りでは郷土料理といってもいい「なめろう」が好まれている。
三枚に下ろした鯵を細かく叩き、中鯵なら一匹につき味噌(大2)、醤油(小1)、
それに葱と大葉をたっぷり加えて、再度練り込むように叩くのである。

なめ

この時期、生魚が苦手という方でも、葱、大葉の薬味で生臭さが抑えられ、
ビールや冷酒のお伴にはうってつけの肴となる。
もともとは房州の漁師料理だったが、いつしか千葉の郷土料理として有名になった。

この「なめろう」を鮑の貝殻に入れて焼いた「さんが焼き」も、オツなものである。

なめB
付け足しに「若布とシラスのさっと炒め」。
そして「水菜のゆかり和え」。
熱湯にくぐらせた水菜を適当な長さに切って、ゆかりと削り節で和える。
南亭お得意の時短料理である。


梅雨といえば雨。
その雨に関して、外国には無い日本独特の単語がある。
「雨男」「雨女」がそうで、その人間が遊山などの一行に加わると必ず雨が降り出すという。

明治の四大文豪の一人である尾崎紅葉は「雨男」として名があり、
外出すると雨にあうと言われたが、一方歌壇の旗頭だった佐々木信綱も雨男として知られていた。
ところがいつかこの二人が一緒に出かけたところ、雨どころかカンカン照りになったという。

これは、雨性と雨性がぶつかって晴天となったもので、
陰性が相合わさると陽になる原理によるものだと、評判になったそうだ。

金田一春彦著「ことばの歳時記」より。



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赤提灯(62) 2016年06月03日 酒肴 トラックバック:0コメント:26

オカヅマミ。
おかずにもなれば、ツマミにもなるという献立を「南亭」では《オカヅマミ》と呼んでいる。
裏返せばおかずかツマミか、どっちつかずの食いものともいえる。わっはっは!

さて、今宵のオカヅマミはどうしようと考えていたら、
昔、通っていた居酒屋のアテを思い出した。
たしか蓮根と竹輪の炒め煮だったかな?

久しぶりに味わいたいものだ。さっそく作ってみる。
とりあえず蓮根を買わなければならないが、冷凍エビが残っていたので、竹輪のかわりにする。
先ずエビを軽く炒めて一旦取り出してから、蓮根とシシトウを炒める。

海老レンコン

次いで醤油、味醂、出し汁を加えて煮るのだが、途中で先ほどのエビを加え、
もう一煮立てすると「エビレンコン」の出来上がり。

やっと調子が出てきたぞー。
「農業交流センター」で自生しているクレソンを頂いたので、
手早く調理してみよう。

フライパンでベーコンの細切れをオリーブオイルで炒める。
3、4センチに切ったクレソンを茎の方から、次に葉を加えてさっと炒める。
塩と胡椒を振ったらシラス干しをまぶして、「クレソン・デ・シラス」の完成。

海老レンコンB

炒めすぎると、クレソンの風味が失われるので、ご注意。

海老レンコンA

スペアリブは圧力鍋で加熱したのを、辛子醤油で。

海老レンコンC

最後にパブリカとシメジのマリネ。

海老レンコンD


和も洋もごっちゃの献立になってしまったが、
節操のない居酒屋「南亭」のことである。
「それがどうした」・・・である。


から梅雨





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赤提灯(61) 2016年04月09日 酒肴 トラックバック:0コメント:18

そばなじみ。
職を離れてからというもの、居酒屋の暖簾をくぐるということが、ばったり途絶えてしまった。
それもその筈である。一日家でごろごろしている身が、どんな理由をつけて紅灯の巷に出かけられるというのだ。

現職の頃は一年のうち300日は、打ち上げだ、打ち合わせだ、花金だ、果ては急の雨だから・・・
などと絆創膏のように理由を貼り付けて、居酒屋のテーブルに座っていたものだ。
それがどうだ。毎夜家のテーブルでむっつりと独酌する境涯になろうとは。

そこでせめても晩酌の間は居酒屋気分に浸ろうと、
年季の入った卓と気に入った酒器や小鉢を揃え、自ら肴を作って自らに供するという、
バーチャルな酒場を営むようになったのである。

以来、亭主も南亭、客も南亭という奇天烈な居酒屋が続いている。

今宵は『そばなじみ』という、蕎麦の実とエノキを佃煮にした逸品。
そして木更津から届いた生海苔を、これまた佃煮に仕立てて肴にする。

『そばなじみ』は、お気に入りの蕎麦屋「葉月」で求めることにしている。
よく売っているエノキの瓶詰め、これに蕎麦の実を加えたような佃煮と思ってほしい。

そばなじみA

本物の飲兵衛だったら、これだけで充分かもしれない。

半端な酒呑みの南亭はそうはいかない。居酒屋亭主としても困るのだ。
あれこれ注文していただかねば!

そばなじみC

そこで、ベビー帆立の生姜煮を作る。
なに、醤油、酒、千切りの生姜とで汁気が無くなるまで煮るだけだ。
帆立の旨味が濃いから、そう手をかけることもない。

さて、生海苔である。
今年は海水温度が高かったせいで、海苔の発育が遅れ、
いつもだったら2月には木更津の網元から届く筈が、やっと4月に入ってやって来たのである。

生海苔はこうして佃煮にする。
「佃煮作る」
M屋の瓶詰とは比べ物にならないほど、「海」が凝縮されたその味、香り。
何度も首肯しながら、舐めるのである。

そばなじみD

春の宵は、ことのほか酔いが早いようだ。

酔っ払い二人が言い争いをしておりまして・・・
「あれに見えるのはお月さんじゃねえか」「んなことねえだろ、おてんとさまにきまってらあな」
「バカ言ってんじゃねえやい。いまどきおてんとさまなんてあるかい!」
そこへ向こうから、爺さんがやってまいりましたから、
「もし、あれはお月さんでしょうかね。それともおてんとさんで?」
するとその爺さん、
「ワシはこの土地のもんじゃねえで、わかんねえ」
爺さんもしこたま酔っ払っていたようで・・・




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