佳肴 2017年05月16日 酒肴 トラックバック:0コメント:20

加賀名菜「かぶら寿司」。

加賀百万石の藩政時代、武家出入りの魚屋が、
お得意先へお正月の進物用に考え出したのが、かぶら寿しの始まりといわれています。
毎年十月半ばともなれば加賀名産の青かぶらの収穫と、荒波にもまれて育った鰤の漁獲を待つように、
金沢では一斉にかぶら寿しの仕込みが始まります。

金沢には、かぶら寿しを漬けて販売している店が何軒もあります。
有名どころでは『四十萬谷(しじまや)本舗』『松本』『かばた』でしょうか。
その中で私といえば『かばた』のかぶら寿しが一番の好みでした。

『かばた』は、忍者寺で知られている寺町にあり、
その寺町に近い平和町に祖母が住まいしていました。
毎年暮れになると、『かばた』のかぶら寿しの小さな桶を贈ってくれたものです。

祖母が他界してからは、かぶら寿しを口にすることはできなくなりました。
「取り寄せる」という手はありますが、どうも抵抗がありまして。

というわけで、すっかりかぶら寿しの味を忘れてしまった私でしたが、
先月のこと、百貨店で『北陸物産展』という催事がありまして、もしやと思い出かけてみたのです。

かぶ寿司A

その、もしやが図星となり二十年ぶりの「かぶら寿司」とご対面したのです。
しかも「かばた」のかぶら寿司と!

かぶ寿司B

こんなに嬉しいことはありません。
嬉しいついでに、富山の名品「甘エビの塩辛」も・・・

かぶ寿司C

かぶらと鰤がほどよく醗酵した芳醇さはたまりません!
その夜は、半年ぶりに酩酊しました。


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赤提灯(66) 2017年05月13日 酒肴 トラックバック:0コメント:20

筍を肴に。

なんとか仕入れを安く上げたい、それは居酒屋亭主の切なる願いです。
居酒屋だけではありませんがね。

タケノコだけで、つまみを作れないだろうか・・・
先日掘ってきたタケノコを前に、無い頭を絞っておりましたが、
残っていた粒ウニの瓶詰めを利用できないかと考えたわけです。
ウニの含有率60%という400円の安物ですが、これをタケノコに塗ったらどうだろう?

発明は必要の母と申します。
え!逆ですか?・・・・ま、先に行きませう。

そのウニを水煮タケノコの穂先に塗って、オーブンレンジで焼いてみたらどうだろー?
ついでにタラコも試してみようじゃないか、ということで両方を試してみたのがこれです。

こごみ

ウニもタラコも安物ですが、やはり焼いた香ばしさはいいですね。
とくに安ウニは見違えるほど、ウニを主張してました。

こごみA

八百屋で「こごみ」を見つけたので、良く洗って茹でました。
これを筍と一緒に甘酢味噌で頂きます。
野趣溢れるというほどでもありませんが、鄙びたお味でございますよ。

南亭では海藻も多くお出ししてます。
生海苔、若布、昆布、ひじき、モズク、アオサ・・・
それは亭主の個人的な理由でもあるのですね。

その理由とは、ゴニョゴニョゴニョ。。。

こごみB

えー、ひじきと筍の煮物でございます。

こごみC

日本では古くから「ひじきを食べると長生きする」と言われておりますが、
九月十五日は「敬老の日」にちなんで「ひじきの日」になっているそうですね。


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赤提灯(65) 2016年10月09日 酒肴 トラックバック:0コメント:22

親子煮。

ここしばらく、料理の記事を載せていない。
「居酒屋南亭、潰れたようだ」という噂が立つかもしれない。
ま、開業閉店状態の店なので、周りも驚かないし本人も意に介してないが。

あまり休んでいると包丁の使い方も忘れようてなもんで、
久々に簡単なつまみを作ってみた。相変わらず時短料理である。

親子

「鶏もも・タマネギの卵とじ」
なに、親子丼用に作った具をツマミとしてはねただけ。
意外と合うのだ、この親子煮。酒の肴にも。

親子A

「おろし胡瓜・なめ茸和え」
卸した胡瓜に、瓶詰の「なめ茸」を加える。
卸し胡瓜の青臭さが消えて、なかなかいけます。

親子B

「オクラ・おかか」
叩いて納豆のように粘りが出たオクラ。
ワサビと削り節とをよく混ぜて・・・。ご飯にもよく合う。

親子C

「野沢菜漬けの豚肉炒め」
漬け物の炒めは非常に美味い。漬け物の旨味だけで充分だから調理も簡単。
特に豚肉との相性がよい。仕上げにラー油を少々垂らすとこくが増す。
常備菜として大量に作るのだが、これをおむすびの具にすると最高なんだな!

親子D

ところで、居酒屋とは・・・
江戸の昔、酒の量り売りをしていた酒屋が、その場で酒を飲ませるようになり、次第に簡単な肴も提供するようになった。
酒屋で飲む行為を「居続けて飲む」ことから「居酒」(いざけ)と称し、
そのサービスを行う酒屋は売るだけの酒屋と差別化するために、「居酒致し候」の貼紙を店頭に出していた。
これが居酒屋の始まりという。

酒と料理を供する店は、「居酒屋」「小料理屋」「割烹」「料亭」と格付けが上がってゆく、らしい。
「小料理」「割烹」なる店は数回ほど上役からご馳走になったが、「料亭」さまに足を踏み入れたことはない。

だが料亭には「モツ煮込み」が無いという。
「ハムカツ」「肉豆腐」も出さないという。
よしんば接待されたとしても、固くお断りしたい、絶対・・・



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赤提灯(64) 2016年09月03日 酒肴 トラックバック:0コメント:16

畑のもので賄う。

獅子唐が猛烈な勢いで実をぶら下げています。
暫くは獅子唐中心の献立が続きそうです。

焼鳥屋では串焼きで供されることが多いですね。
居酒屋「南」ではちょっと目先を替えまして、ベーコンとの挟み焼きをお出ししましょう。

しし串

獅子唐はヘタを切って軽く塩を振ります。
厚切りベーコンは3センチほどに切り、獅子唐と交互に串刺しにします。
それを網で焼くだけの「獅子唐挟み討ち」。

しし串A

獅子唐のもう一品は、竹輪と一緒に煮た「竹輪の友」。

しし串B

こうなったら、畑のものでやり抜こう。
藷蔓と人参の炒め煮。

しし串C

モロヘイア叩き。醤油とたっぷりの削り節で。

しし串D

畑で養殖したシラスのニンニク炒め。
(畑で養殖??信じる者は救われる・・・アハハハ)

しし串E

獅子唐のことですが、10個の中に1個ほど辛いものが混ざっていることがあり、
「食べるロシアンルーレット」等と言われているそうです。
家族で順番に、一個ずつ食べてゆくなんてゲームはいかがでしょうかね。



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赤提灯(63) 2016年06月28日 酒肴 トラックバック:0コメント:20

アジな肴。
鯵は一年中手に入るが、実は初夏の魚である。
産卵のために浅い海にやってくるのが、今頃の季節というので夏の季語にもなっている。

私の近くの港でもサビキという簡単な仕掛けで、上手くいけば十数匹は釣れる。
鯵は刺し身や塩焼きも美味しいが、この辺りでは郷土料理といってもいい「なめろう」が好まれている。
三枚に下ろした鯵を細かく叩き、中鯵なら一匹につき味噌(大2)、醤油(小1)、
それに葱と大葉をたっぷり加えて、再度練り込むように叩くのである。

なめ

この時期、生魚が苦手という方でも、葱、大葉の薬味で生臭さが抑えられ、
ビールや冷酒のお伴にはうってつけの肴となる。
もともとは房州の漁師料理だったが、いつしか千葉の郷土料理として有名になった。

この「なめろう」を鮑の貝殻に入れて焼いた「さんが焼き」も、オツなものである。

なめB
付け足しに「若布とシラスのさっと炒め」。
そして「水菜のゆかり和え」。
熱湯にくぐらせた水菜を適当な長さに切って、ゆかりと削り節で和える。
南亭お得意の時短料理である。


梅雨といえば雨。
その雨に関して、外国には無い日本独特の単語がある。
「雨男」「雨女」がそうで、その人間が遊山などの一行に加わると必ず雨が降り出すという。

明治の四大文豪の一人である尾崎紅葉は「雨男」として名があり、
外出すると雨にあうと言われたが、一方歌壇の旗頭だった佐々木信綱も雨男として知られていた。
ところがいつかこの二人が一緒に出かけたところ、雨どころかカンカン照りになったという。

これは、雨性と雨性がぶつかって晴天となったもので、
陰性が相合わさると陽になる原理によるものだと、評判になったそうだ。

金田一春彦著「ことばの歳時記」より。



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