ラーメン紀行(完) 2017年02月25日 外食 トラックバック:0コメント:16

THE 東京拉麺。
3000店といわれる東京のラーメン屋さん。
その一割すら足を運んだことのない私が、ラーメンについて語るのは実におこがましいのですが、
心に残った何店かをご紹介したいと思います。

まず、浅草と参りましょう。
浅草には半世紀を越える中華料理屋、ラーメン屋が多く、写真を撮って絵になる店が何軒もあります。
その中で割と新しい部類ですが、よく訪れるラーメン屋が「メンマル」です。

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浅草は「花やしき」の外れ、ひさご通りの入り口にその店はあります。
なにがお気に入りかって、そのお値段!なんと今時320円!ちょっと前までは290円だったのですよ。
しかも、手抜きなしの透き通った江戸前ラーメンです。

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魚介を使わないさっぱりとしたスープに、中細の麺。
やや麺の量が少ないかな?という感じですが老人には、このくらいが丁度いいのかもしれません。

お次は上野アメ横です。
「珍々軒」という、あまり声に出したくない店名ですが、
アメ横の裏通りで昭和23年からやっているという、屋台系ラーメン。

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まず、この景色がなんともいえません。
かっこよく言えばオープンテラスのラーメンショップと言っていいでしょうか。
澄んだ鶏がらスープに中細麺と厚切りのチャーシュー。
ポツンと浮かんだインゲンが愛嬌ありますね。

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ここは週末ともなると、たいへんな行列が出来るものですから、
私は平日の上野美術館、博物館のついでに立ち寄っています。

最後は、店のたたずまいからして究極と言うべきラーメン屋です。

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ここは偶然見つけたところで、門前仲町から永代通りを隅田川に向かって歩いてますと、
隅田川の手前、運河の名残りにかかった福島橋のたもとに、まるで映画のセットのような小屋と、
中華そば「おはる」の看板が目についたのですね。
これは立ち寄らないわけにはいきません。

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昭和36年創業といいますからこの場所で50年以上、変わらぬ店構えで中華そばを供してきたのでしょう。

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店主は80歳を超えてまだ元気に麺を湯がいていて、ツユを仕込んでいるのは息子さん。

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さて期待の中華そばですが、いい顔してます。
ゆで卵には飾り切りを入れるという、丁寧な仕事です。
そしてあっさり目なのに、だんだんコクがでてくるようなスープ・・・。

ともかく店も親父さんも中華そばも、なにもかもが絵に描いたようなラーメン天国でした。
ちなみに、店名「おはる」とは先に旅立った奥さんの名前だそうです。


まだまだ、東京で一番古いといわれる東銀座の「萬福」や、築地場外の人気店「井上」など書けばキリがありません。
しかし何杯もラーメンを見せられたら、食傷もいいところですよね。
なのでこの辺で「完」とさせていただきましょう。

つたない《ラーメン紀行》に長々とお付き合いいただき、まことにお疲れさまでした。


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ラーメン紀行(五) 2017年02月14日 外食 トラックバック:0コメント:16

千葉のトンコツ。
東京のトンコツブームが首都圏の地方都市に波及するのは、随分経ってからである。
千葉でいえば、まず無難な博多ラーメン「ふくちゃん」が昭和60年、国道沿いに出店。
それから20年後、様子を伺っていたかのように「博多一風堂」、
次いで「一蘭」「屋台拉麺一'S」といった有名チェーン店が進出してきたのである。

「博多一風堂」はいつも行列が出来るほどの人気店となり、
「一蘭」は賛否が分かれるものの、最近になって第二店舗を構えるなど、
千葉のトンコツもすっかり根付いてきた感がある。

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しかし、ブームになる前から孤軍奮闘してきた地元トンコツの店を忘れてはならない。
先ずは千葉駅近くの「長州(ながず)ラーメン」。
30年の歴史を持つ豚骨ラーメンの老舗である。

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千葉市民に媚びること無く、悪い言葉でいえば動物臭いラーメンを、営々と提供してきたのである。
そのスープは古えの長浜を彷彿させる(どろり)とした豚骨で、好き嫌いが激しく分かれるラーメンだろう。

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もう一軒は平成2年開店の「幸福軒」。
千葉銀座通りの裏道にあるこの店のスープは、正しい博多豚骨でありながら、
営んでいるご夫婦の人柄のように、とてもやさしいのである。

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よく見かけるような、店の名前を染めた揃いのシャツに、
肩肘張った謳い文句という自己中なところが全くなくて、たいへん居心地の良い店でもあり、
このところトンコツラーメンを食べたくなったら、ほぼ「幸福軒」に決めている。


ところで、ラーメンの好みは地域によってどう変わるのか・・・ ここに面白いデータがある。

地域別:好きなラーメン
ラーメンの味
(ネットリサーチ/2015年2月の調査データより)

やはり九州では醤油とトンコツの好みが、その他と比べて逆転しているのがお分かりだろう。
逆に東北・北海道では味噌ラーメンが健闘していて、これもなるほどと頷けるデータである。


だいぶ横道に逸れてしまったが、いよいよ感動の屋台風東京ラーメン編。
来週堂々公開!乞うご期待。

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ラーメン紀行(四) 2017年02月13日 外食 トラックバック:0コメント:6

トンコツ。
ポンコツじゃないぞ。トンコツだぞっ!

さて・・・ラーメンは醤油に限る。正統派に限るなどとほざいていたけど、
実はトンコツラーメンも好物という、いい加減な男である。
そのトンコツとの付き合いも長い。

博多トンコツではないが、熊本ラーメンの店が新宿3丁目にある。
濃厚なスープで、にんにくチップがたっぷり乗ったパワフルなラーメンだった。
「桂花」というその店は、昭和30年に出店したそうだから、
たぶん東京における豚骨ラーメンの走りではないかと思われるが、
変わらぬ人気で、今では海外も含め十数店舗のチェーン展開をしている。

ここで豚骨の洗礼を受けた私は、その後九州への出張も多くなり、本場の博多ラーメンを味わうこととなった。
ことに長浜ラーメンは衝撃的だった。
そのどぎつい脂には悪女のような魅力があった。そういう私も若かったのだろう。

東京で豚骨ラーメンがブレイクしたのは、昭和56年のことだった。
渋谷で生まれた博多ラーメン「ふくちゃん」は、またたく間に人気を集めるようになった。
それは、東京人の舌に合わせた、さっぱり系の豚骨スープを提供したからである。

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やがて「ふくちゃん」は築地に総本店を移す。
勤め先から近いということもあって、私も繁く足を運ぶようになった。
さっぱりとしたスープは飽きがこなかったこともある。

それから3年後、秋葉原に「博多じゃんがらラーメン」が誕生すると、
世田谷環七通りには「なんでんかんでん」が開店するなど、東京は一挙に豚骨ブームとなる。
「じゃんがら」は銀座松坂屋の裏にもチェーン店を出したので、何度か訪れたことがある。

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「ふくちゃん」よりも濃い目のスープで、麺も硬めの極細麺。
本場、博多の味に近いこの「じゃんがら」は、なんと東京生まれという。
しかも創業者は学習塾を営む傍らということで、話題になった店である。

関東の豚骨ブームはその後、「博多一風堂」「一蘭」「光麺」はじめ、多くの有名店を誕生させたのだが、
さて、千葉市はというと・・・


(続きは明日・・・)



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ラーメン紀行(三) 2017年02月05日 外食 トラックバック:0コメント:26

ラーメンの顔。

ラーメンには顔がある。さまざまな顔がある。

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チャーシューやナルトの乗せ方、海苔の有る無し、汁に沈んだ麺のありよう。
そして丼の姿・形まで、まさに百麺百様である。
まるで絵のように上品なラーメン、反対に大雑把で良くいえば無骨なラーメン・・・

だが、いくら美しく粧ったラーメンでも、味が雑では話にならないし、
ぶっきらぼうに見えて、実に繊細な味わいのスープだったりするわけだから、
見た目は当てにならないものだが。

昔からの屋台風ラーメンは、だいたい大雑把な顔をしている。
屋台は夜の立ち食いで成り立っていたから、とにかく早く提供しなくてはいけない。
丼に素早くスープと麺を入れ、ぱっぱっと具を乗せて「へい、お待ち!」というのが通常だった。

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たぶん屋台の流れと思われるラーメン屋が、なんと丸の内にある。
有楽町のガード下で五十年以上営んでいる『谷ラーメン』だが、ここは立派な「丸の内三丁目」。
ごみごみしたガード下の、さらに奥まったところにある小さな店なのに、午後3時近くになっても客足が絶えない。

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ラーメンの顔はご覧のように素っ気ない。
チャーシューと海苔とメンマが何の思惑もなしに置かれ、
ネギが所在なげに浮かんでいるといった、完全なる東京屋台ラーメン。

これが一口啜ると、天井に向かって吐息を漏らすほど美味なのである。
豚骨と豚肉だけでとったスープは、濃い目だがさっぱりとして優しく、中太のちぢれ麺によく絡んで言うこと無し。


片や、箸をつけるのが躊躇われるほど、美しいラーメンがある。
神楽坂の坂下、「みちくさ横丁」にある見過ごしそうなラーメン店、中華蕎麦『きみの』。
改装したのかどうか判らないが、比較的新しい。

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迷わず注文した醤油ラーメンの、なんと上品な!
しかも丼の半分を占める焼き豚に、芽ネギをあしらうという芸の細かさはどうだ。
どこから手をつけていいのか・・・
いちおう定石どおりスープを味わう。

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大山地鶏と煮干しや野菜をベースにしたスープは、最初はあっさりしすぎかなと思うほどだが、
あとから深みのある旨さが追いかけてきて、陶然とさせてくれる。
顔の半分近くを占めている叉焼がまたトロリとしてしつこ過ぎず、スープとのコラボが絶妙であった。

こうして両極端の顔と対面したわけだが、
ひねくれものの私としては、顔が良くて才能が豊かで・・・という人、あまり好きになれないのだね。
『きみの』のラーメン、汁も最後まで飲んでしまったけどね。あははは・・・


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ラーメン紀行(二) 2017年01月26日 外食 トラックバック:0コメント:16

中華食堂。

ラーメンには厳密ではないが、拘りを持っている。
①醤油ラーメン ②正統派 ③ご当地 ④ワンコイン、の4条件である。
と書いたが、さっそく地元の正統派醤油ラーメンを探訪してみよう。

先ずは私の住んでいる界隈から・・・。
ちなみに住宅地にはラーメン専門の店より、チャーハンや中華丼、
どうかするとカレーライスも提供する中華食堂が多い。

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歩いて数分のところにある中華「一鶴」は、ひっそりとした店構えだが、
半世紀近くご町内に親しまれてきた食堂で、すでに二代目が引き継いでいる。
ラーメンは煮干し出汁ベースの、さっぱりした醤油味。

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なにか一味足りないような気がするが、昔のラーメンはこんなものだった。
お勘定はぴったりワンコイン。

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さて、私がよく散策するところに稲毛という旧別荘地がある。
当雑記でもたびたび取り上げているから、記憶に残っている方も多いだろう。
神谷伝兵衛別邸、愛新覚羅溥傑の旧居などを巡り、京成稲毛駅に向かうと、
狭い路地に如何にもな中華食堂が見えてくる。

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中華料理「昇楽」。
しかし、このショーウィンドウのレトロさはどうだ!
これだけでも期待度満点。

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ここは絶対に醤油ラーメン。というより《中華そば》だろう。

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見た目やや貧相だが、屋台ラーメンの味がしっかり残っているようなスープ。
チャーシューは小さいが、厚めでやわらかい。
ワンコインでお釣りがくるのは、嬉しいことである。

醤油ラーメンというのは、味がだいたい予想できるから安心である。
美味いか不味いかは余程ひどくなければ、人それぞれだろう。
私は、まあまあだったら良しとしている。
食通ではないしね・・・

探せばまだまだ、こういう「おらが町の中華そば」が埋もれているはずだ。
ぼつぼつと見つけてゆこう。



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