南回廊 2010年11月30日 俳句 トラックバック:0コメント:6

枯れ

寂滅。
枯れてゆくものの美しさは、
その鮮やかなことにおいて銀杏や紅葉にまさるものはない。
だがここに挙げた枯蓮の色の、寂びた見事さはどうだ。

蓮は仏教では、仏の知恵や慈悲の象徴とされており、
極楽から転生する魂は、蓮の上に生まれ変わるという。

極楽浄土を思わせる初夏の蓮とは対照的に、
晩秋の蓮には寂滅の荘厳さがある。
寂び色の蓮はやがて骨のようになって水没してゆく。
初冬

ところで今回は俳句がテーマの筈だったが、
枯蓮の人の手では到底及ばない彩色を、是非紹介しようと思ったのがいけなかった。

この写真と張り合う自作の句が無かったのである。
そこで枯蓮を詠んだ先人の俳句の中から、
南亭の好きな何句かを紹介しよう。

枯蓮の折れたる影は折れてをる
富安風生

ひとつ枯れかくて多くの蓮枯るる
秋元不死男

耐へがたきまで蓮枯れてゐたりけり
安住 敦


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テーマ:詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など - ジャンル:学問・文化・芸術

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