南回廊 2011年03月31日 美術 トラックバック:0コメント:8

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<二つの丘の上のまち>パウル・クレー 1927年作

PAUL KLEE
私が最も好きな画家であり、
ボッシュ、ブリューゲルとはまた違った影響を受けたのがクレーである。
その線からは無限の旋律を、その色彩からは豊かな和声を感じさせる音楽的な絵画は、
ときにモーツアルトの音楽に比較されることがあるが、
温かく親しみ深い幻想の世界は、時には彼岸の悲哀に満ちて、
絵画のモーツアルトとはまさに言い得ているのではないだろうか。

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<秋の使者>パウル・クレー 1922年作

クレーは1879年スイスのベルン近郊で生まれた。
父のヴィルヘルムは優れたオルガン奏者であり、母親も音楽に深い素養を持っていた。
クレーも少年期からヴァイオリンに秀でた才能を示し、音楽家を目指していたこともあった。

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<潟の上の都市>パウル・クレー 1932作

しかし画家の道を選んだクレーは、ミュンヘン美術学校で学んだ後、
カンディンスキーらが結成した「青騎士」グループに参加し、
やがてモンドリアン、モホリ・ナギも加わったバウハウス運動を主導する。

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<高位の番人>パウル・クレー 1940作

晩年のクレーは1935年皮膚硬化症という奇病に罹り、
1940年にこの世を去るまで病気の悪化に苦しみ続けた。

だが生涯に描かれた約9000点のうち1500点が、
死の寸前である1939、1940の2年足らずの間に制作されているのである。
死を目前にしてのこうした爆発的な創造活動は、殆んど他に類例を見ないであろう。

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<死と焔>パウル・クレー 1940年作

クレーにはもっと紹介したい作品が数多くあるが、
ここでは最後の絵を除いて、安らぎに満ちた数点を選んでみた。
クレーは複製であっても飾るには実に心地のよい作品である。

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