居酒屋話(47) 2012年06月30日 料(筍) トラックバック:0コメント:36

肴。
広辞苑で「さかな」と引くと《魚・肴》という漢字が出てくる。
魚は言わずと知れたウオであり、メダカからマグロに至るお魚類のことを指す。

では「肴」とはいったい何だろうか。
再び広辞苑によると、
①酒を呑むときに添えて食う物
②酒席の興を添える歌舞や話題など
とある。

①は古くは「酒菜(さかな)」とも書かれて酒の席で食されるもののことを指した。
②については「あいつをからかって酒のつまみにしようぜ」なんてこともよく聞く。

要するに酒の席が盛り上がる食べ物や芸事、
あるいは楽しい会話もすべて「さかな」に含まれるのである。

「最高の酒のつまみは時を忘れるやうな会話に尽きる」と、
かのニーチェもサルトルも言っている。
言ってないね・・・・。


ところで今はもう少なくなってしまったが、昔かたぎの硬骨漢ときたら、
酒を呑むのにも実にきっぱりと、
酒のつまみなんてなあ、味噌なめてりゃいいんでぇ。
なんていったあんばいで、味噌や塩を舐めながら黙々と飲んでいたものだった。

そういえばその頃の男衆は「男子厨房に入るべからず」なんてことを教わってきたのであり、
男が食べ物のことをうだうだ言うのは、みっともないことだとも思われていたのだ。

それが経済成長とともに外食が多くなり、いわゆるグルメという言葉が浸透してきたのと、
ニューファミリーとかいうフレンドリーな夫婦関係が出来上がってきたのとがあいまって、
男も料理に口出しするようになったし、キッチンに立つようにもなったということなのだろう。

悪いことではない。
しかし浅草に「松波」という酒呑みの道場のようなところがあって、
ここはつまみと呼べるものは数品しかなく、客はみな無言で枡酒を呑んでいたのだが。

それもとても美しい所作で呑み干し、乱れるところがないといった修行を積んだような男衆に、
畏敬と憧れを感じて、なんどか「松波」へ足を運んだものだった。

その「松波」も3年前に店を畳んだという。
たぶん硬骨漢がいなくなってしまったのだろう。

「男子厨房に・・・」と教わってきた南亭は、
とうに変節してしまい、今も酒のつまみを作り上げたところである。

ハチク肴

またしても淡竹ばかりだが、お赦し願いたい。
まずは「淡竹の雲丹焼」
瓶詰の粒雲丹を塗ってオーブンレンジで焼いた香ばしい一品。

ハチク肴1

「淡竹とエノキの梅和え」
刻んだ淡竹と料理酒で煮たエノキに、叩いた梅干しの肉と醤油、味醂とを和えたのだが、
さっぱりとした口当たりは我ながら自慢の簡単料理。

ハチク肴2

「メンマ風淡竹」
胡麻油とコチュジャンで炒めたのだが、フライパンで三回一挙に作って、
冷凍しておくと暫くはおかずに、つまみにと便利である。

ハチク肴3

こうして今年も大量の淡竹をなんとか無駄にしないで調理することが出来た。
今日のおつまみセット、雲丹とエノキの実費だけで百円。

ハチク肴4

そのあとお腹を膨らませたいという方には、淡竹ごはんのおむすびと若茄子の漬物。
それに淡竹と若芽の味噌汁もご用意しますです。




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