南回廊 2013年06月30日 音(洋) トラックバック:0コメント:16

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ILLUSTRATED BY NANTEI

序曲。
序曲というのは歌劇の主題が始まる前に演奏される管弦楽曲として知られていますが、
今日、お話ししたいのは映画における「序曲」のことです。

ハリウッドの大作映画が全盛だった頃の作品、
特にスペクタクル映画ではスクリーンの幕が開く前に、
その作品のために作曲された序曲が鳴り響いていたものです。

それらの序曲によって、これから繰り広げられる壮大な物語りへの期待が、
いやが上にも盛りあがったようです。

「風とともに去りぬ」「ベン・ハー」「十戒」「栄光への脱出」「ドクトル・ジバゴ」・・・
これらの大作はその序曲とともに、記憶に深く残る映画となっています。
中でも私にとって「アラビアのロレンス」序曲は特別なものです。

この映画は20歳代からごく最近まで、何度も見続けた作品です。
見るたびにその印象を新たにしてきた、含みの多い映画です。

特に後年になると、ロレンスのやや異常な人物像を、
気味の悪いほど演じきったピーター・オトゥールは別格として、
アレック・ギネス、アンソニー・クイン、ホセ・ファーラー、アンソニー・クエイル、
などの曲者俳優たちそれぞれの役柄に注目するようになったおかげで、
この映画の味わいは一層深くなったような気がします。

しかしこの「アラビアのロレンス」序曲を聴いていると、
不思議なことに彼らの存在より、ただただひりつくような砂漠の光景しか浮かばないのです。

私の拙い表現で書かせてもらうなら、どうやらこの映画は砂漠が象徴する「乾き」。
人間の欲望も含めた「乾き」が主題ではないのだろうか。

そう思うようになったのです。




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