南日和 2013年11月30日 酒場 トラックバック:0コメント:20

酒場漂流記(二之巻)。
月曜日夜のBS-TBSに「酒場放浪記」という番組がある。
俳人でもある吉田類氏が、東京を中心に各地の酒場を巡るという内容で、
酒呑みには垂涎ものの番組である。

かくいう私も現役時代は放浪三昧だった。
出張が多かったせいもあって、全国さまざまなところで居酒屋の暖簾をくぐってもいた。

定年後は一変、夜の巷に出ることは滅多になくなり、ひたすら家呑みの爺さんになってしまった。
それでもなんだかんだと理由をつけては年に数回、ネオンを浴びに出かけているが、
往時に比べると侘びしく漂流しているようなものである。

そんな酒場漂流の中から、記憶に残る酒場を紹介しようと思う。
第二回目は非常に興奮させられたこの場所から。

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数寄屋橋にある泰明小学校の校門を過ぎてJRのガードをくぐると、
およそ銀座界隈とは思えない異世界が現れる。
「ぶんか横丁」という平成22年冬にオープンの、産直を売りにした酒場横丁である。

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しかも魚専門、貝専門、馬肉、牛肉、鶏肉、餃子専門と、
食材別の専門店ばかりだから、迷いながら選ぶ楽しみもメニューのうちのような、
飲兵衛を泣かせる横丁だったのである。

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私もこの横丁を行きつ戻りつしながら悩んだ末、貝専門の「貝○」に先ずは突撃したのだったが。
これは期待十分のお店である。

まずは日本酒を頼んで、ゆっくりとお品書きに目を通す。
あわびも牡蠣も、まて貝もつぶ貝もいずれも触手が動いて悩ましいが、
みる貝の刺身を注文してから、とても気になった「貝肝のニンニクバター焼き」というのを追加する。

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みる貝の刺し身は当然ながらこりこりとした食感と、
潮の香りが舌に残る逸品だったが「貝肝」には眼を剥いてしまった。
いや、いい意味で度肝を抜かれるような味だったのである。

貝肝のほろ苦味さがニンニクとバターによって濃厚な旨味となり、
舌の上でほろほろと溶けてゆく時の幸福感。

料理人に聞いてみると、バイ貝、ツブ貝、帆立の肝を使っているそうだ。
これはなかなか家では口にできない珍味かもしれない。

すっかり一店目で、出来上がりそうになった。

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せっかくの「ぶんか横丁」この一軒で万歳するわけにはゆかない。
てな調子で、次の店を物色する。

海のもののあとは、陸のものに決まっている。
・・・牛肉が食べたい。そうだ、牛○に行こう。

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店内はいかにもという肉色に染まっている。
貝○とは大違いの迫力あるメニューで埋まっている。

ここでは焼酎お湯割りを注文しよう。
肉はこのところ口にしていない牛タンを所望する。

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いやあ、これはまた柔らかなタンで結構、結構。
もうどうでもしてくれ、という心地になる。

さて、やや朦朧としてきたものの気が大きくなってきた。
「次行こう!」

と・・・

財布には帰りの電車賃しか残ってないではないか。


貝食へば金が無くなり銀座露地
(南)



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