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南回廊 2011年11月23日 紀行 トラックバック:0コメント:0

けいさん1

箱根湯本
平賀敬美術館

実は先週末のもう一つの目的は、箱根湯本の奥まったところにひっそりと存在する、
異端の画家平賀敬さん(1936-2001)のアトリエであり、住まいでもあった美術館を訪れることであった。

この建物は明治時代に旅館の別荘として建てられ、
犬養毅や近衛文麿などの要人たちが逗留したことで知られている。

敬さんはもともとは大磯に住んでいて、
同じく大磯で彫金作家として活躍していた知人に紹介されたのが、
そもそものなれそめだったのである。

なれそめといってもそう何度もお会いしたわけではないが、
お邪魔するといつも何人かの客人と酒宴の最中で、私も招かれるままに図々しく飲み食いしていたのであった。

このように、いつ絵を描いているんだろうと思うほど、
敬さんは四六時中酒席の真ん中に陣取っているように見えたのである。

その平賀敬さんがこの箱根湯本に移ってからは、私もなにかと多忙になり、
東京での個展でそれもたまにお会いするのが精々の状況になったのだが、
2001年、突然の訃報を知ったのである。

あれから10年。しかも11月13日が命日だったから、
なんとかこの11月中に訪れたいものだと切望していたのである。

冒頭に異端の画家と書いたが、無頼な生き方と相まって作品そのものがエロティシズムに充ち、
なおかつ立教大学経済学部卒という外れたところからの画壇への登場は、
美術界は言うに及ばず一般的にも興味半分の話題を集めたものであった。

平賀2

平賀2b

けいさん3

現在この美術館は幸夫人が敬さんの作品を守りながら運営なさっている。
この敬さんが大好きだった座敷に招じられると、美味しいお茶とお饅頭が出されて、
部屋に飾られた絵を見たり庭を眺めたり、ゆったりとした時間を楽しむことが出来る。

また有名旅館の別荘だったというだけあって、良質な温泉を引いたかけ流しの浴室もあり、
入湯料を払えばその由緒あるお湯に浸ることが可能である。

けいさん5

けいさん7

蔵が大作ばかりを展示するスペースになっているが、その入り口には巨大な柱時計とともに、
澁澤龍彦好みの奇怪な人形が出迎えてくれる。

けいさん8

平賀9

けいさん9

平賀敬さんの作品には当然、好き嫌いが大きく分かれるし、
PTA的な判断で見るならこれは断じて許せない世界に違いないだろうが、
それは私が云々することではない。

できれば、
平賀敬美術館のHP

そして一度仕事でご一緒したことのある翻訳家池田香代子さんが、
平賀敬さんの人間的魅力を活き活きと描写している
池田香代子ブログ

をご覧になって多少とも興味を持たれた方は、湯本散策の傍らにでも訪れてみてはいかがだろうか。
今も着物姿が良く似合う幸夫人に招じ入れられて、不思議な世界に浸るのも極上なひと時だと思うが。

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